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Mail Magazine

082:コメは野菜

9月になった途端に空気がひんやりとし、一気に気温が下がりましたね。皆さま、お変わりなくお過ごしでしょうか。日本を暑~くしてくれていた夏の高気圧が南へ移動し、大陸からやって来た冷たい高気圧がぶつかることによって大気の状態が不安定になるため、梅雨と同じように秋も長雨が続くみたいですね。そういえば6月にも、梅雨について色々書いたなと思い出しまして、今年はなんだか雨の話題ばかりをメルマガにしてしまうようです…。



という雨についての前振りを書きましたが、全然秋雨と関係ないことが気になっておりまして、「イギリス人の感覚ではコメは野菜である」と聞いたんですが、本当でしょうか、、、、。でも、まぁ日本人の感覚で「ジャガイモは野菜」と思っている方が多いけども、海外からしてみれば…というような話なのでしょうか。イギリスにお詳しい方、是非ともお教えください。



なんでこんなことが気になっているかと言いますと、カレーライスが初めて作られた国がイギリスだということを皆さまご存知でしたか(なので、カレーハウスCoCo壱番屋さんがインドに出店するよりも前に、ちゃんとイギリスに出店していらっしゃる話が好きです)。



イギリス植民地時代のインドから、イギリスへと香辛料を使った料理「カリー」が伝わったそうなのですが、その料理を伝えたインド人がたまたまコメを主食とする地域出身だった為、コメとカレーシチューを組み合わせた料理として紹介されたようです。この時の感覚がシチュー(カレー)と野菜(コメ)を組み合わせたもの、だとされているのです。



「カレー粉」って、イギリスによって発明されたんですよね。このカレー粉のおかげで、カレーは容易に食べられる料理になったわけなのですが、とても恩恵を受けたのが船乗りでした。イギリスの船乗りたちが、日持ちしない牛乳の代わりにカレー粉を用いてシチューを作っていたそうで、このカレーシチューに当時航海時には欠かせないジャガイモを入れて食べていたそうです。その上、インドのカレーはとろみが無いのですが、イギリス海軍では船の揺れに対応するために、とろみを付け加えたと言われています。これが、今の日本でもよく食べられているカレーライスの原型とされています。



そして、1900年代の日本海軍でも、このイギリス海軍が食べていたカレーライスを取り入れたところ、当時海兵たちを悩ませていた脚気が無くなり、兵役を終えた兵士たちによって、家庭へもカレーライスが普及していったそうです。今でも海上自衛隊では、毎週金曜日にカレーを食べるという話は、多くの方もご存知ではないかと思います。



イギリス人の感覚ではコメは野菜なのかぁ…と不思議ではありましたが、その感覚のおかげでカレーライスという愛される料理が開発されたわけで…、なんてことを思う秋雨の9月初旬です。ちなみに、インド生活でカレーしか選択肢がなかった時に思ったことは「日本食が食べたい」よりも先に「日本のカレーライスが食べたい」なんですよね、、、。そんな美味しいカレーライスを開発してくれたイギリスの方々に感謝しながら過ごします。



Sahanaメルマガ vol.218(2021年9月)より

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