top of page
studio Sahana logo ヨーガ ヨガ ヨガスタジオ ヨガセラピー
Essays
2016年11月

2016年11月


 この国に来てからというもの、教育機関で勉強できることはとても貴重なものだと幾度となく感じ、考えてきました。「世界には学校に行きたくても行けない子がいる」と日本の小中学校で習ったにも関わらず、全く実感していなかったのだなとも思います。経済的に発展途上の国に行かれたことがある方は、いわゆるスラム街を見たことがあるのではないでしょうか。


 特にバンガロールのようなインドの大都市だと、高層マンションや綺麗なショッピングモールと共に貧困層の人たちが暮らす居住地があり、インド社会の階層的な一面を度々目の当たりにします。最初は「かわいそうだな」と思っていましたが、そんな言葉は相手の生き方を自分の価値観で勝手に否定しているようで使わなくなりました。実際に彼らと接すると、とてもエネルギッシュで生きるパワーに満ち溢れています。子どもたちは皆が兄弟のように一緒になって走り回り、大きな口を開けて笑います。小さな携帯電話の画面を毎日眺める自分が馬鹿らしくなるほどに、そこで暮らす人たちは元気に生活しています。


 幸せは物質の中にあるのではないと、インドの聖典は説いています。また、自分に与えられた仕事を全うすることが魂を磨く行為であると説き、生まれた環境に優劣はないとしています。勉強できることはとても貴重なものだと思いますが、物質的なものを手に入れるためだけに知識を使うのではなく、自分の内面に目を向ける時間を増やしていくべきだと思う日々です。



Busport2016年12月号より

bottom of page